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九官鳥の「オタケさん」とはだれ

オウムや九官鳥など、人の物まねをする鳥は、よく「オタヶサン、オタケサン」といいます。これはもちろん、人間の口まねですから、きっとオウムに「オタケサン」ということばを覚えこませた元祖がいるはず。

 

そうです。「オタケサン」というのは実在の人物の名前で、ほんとうは「お滝さん」というのです。そして、オウムにこのことばをしこんだのは西洋医学を日本に伝えたシーボルトです。

 

シーボルトは文政六年(一八二三年)にオランダ商館医として来日しました。そして、長崎市外の鳴滝に診療所と学塾を設け、多くの弟子を育てて、蘭学の発達に貢献しました。

このシーボルトの愛した女性が楠本滝という人で、「お滝さん」と呼ばれていたのです。日本地図を持っているのが見つかってしまいました。当時は、地図の国外持ち出しはかたく禁じられていたのです。

 

シーボルトはこのため、再入国禁止の処分を受けてしまいました。これがシーボルト事件といわれるものです。

再び日本にもどってくることのできなくなったシーボルトは、お滝さんへの愛を忘れないため、飼っていたオウムにお滝さんの名を覚えさせました。この「お滝さん」が「オタケさん」と変化して一般化し、オウムといえば「オタケサン」としやべるものという通念ができ上がったのです。