「乾杯」という習慣はいつごろから

酒席では「乾杯」が常識です。いまでは円常生活の中に、あたり前のようにとけこんだ

「乾杯」の習慣は、いつごろから、われわれの中に根づいたのでしょうか。

 

これについては、おもしろい

 

 英和親条約の協定の後、英国は特派使節のエルギン伯を来~させました。通商の約款を補足するためでした。

 

一行は、~本側との交渉のため、井上信濃守等六大の幕府の条約委員を招きました。そして会談が終わり、晩餐となりました。

食事がすむと、エルギン伯は、日本側の人々に向かって、イギリスでは元首の健康を祝して杯を交わす習慣があるので、ここでひとつ、そうしたいのだがと提案したのです。

 

当時の日本人にとって、これはまるで初めての体験だったのです。しかし、礼を失しないように、幕臣たちは、これを理解しようとしました。

 

そして、一行の中でもきわめて謹厳で大まじめな井上信濃守が、会話が切れて座が静まり返ったときいきなり立ち上がり、高い声万「乾杯」をし、おごそかに着府したしてす。

 

これには、エルギン伯はじめ’参会者も耐えきれず、どっと笑い出しました。

 

れはイギリス側の感想ですから、厳粛に儀式を行った日本側が、どういう受けとめ方をしたかはわかりません。

 

しかし、このかなりこっけいな「乾杯」の後で、目本の酒席てには確かです。